多面体の紙模型を作ろう!

はじめに

世の中には多面体というものがあります.そのうち簡単な多面体は正四面体をはじめとする正多面体で,これはプラトンの立体ともいわれています.この正多面体は(不思議なことに,あるいは必然的に)正四面体,正六面体,正八面体,正十二面体,正二十面体の5つが知られており,これら以外には存在しません.もうすこし複雑にしたものをアルキメデスが考たとされ,これはアルキメデスの立体あるいは半正多面体と呼ばれています.

そして,現実的に紙を切って貼ってで作ることのできる多面体は主として,正多面体自体に加え,この正多面体の頂点を切り落としたり(半正多面体の一部),いくつかの多面体を重ねてみたりしてできた75種類の一様多面体であると考えられます.これら図形は簡単なものは容易に想像できますが,複雑になるにつれその性質を理解するのが困難になります.ゆえに,紙で模型を作るのです.


用意するもの

いろいろ書きましたが,あるもので良いです.たくさん作っているうちに道具は生えてきます.


試作

試作の目的は展開図を描きやすくし,その多面体への理解を深めることです.

紙をカッターマットに敷き,コンパスと定規で展開図を徒然なるままに描きます.この時,その図形を構成している(正)多角形を一つずつ書くのがポイントです.

ここでは正四面体を例にとって図示します:

こんな感じで必要な図形が描けたらのりしろをとって切り抜き,組み立てます.ここで,のりしろの曲がる部分にカッターの背などで折り目をつけておくときれいに仕上がります.

完成


量産

別に量産する必要はないのですが,量産できるようにするという意味で量産です.

試作をよく見ながら,組み立てやすいように展開図を描きます.ある程度複雑な多面体になると紙のサイズなどが原因で展開図が複数枚に及ぶことがあり,こういったときに試作が役立ちます.

ここでは正四面体を例にとって図示します:

こんな感じで展開図が描けたら厚めの紙にコピーを取ります,そして原本を取っておきます.これは,コンパスの針跡などを排し,よりきれいな多面体の模型を作るためです.

ある程度複雑な多面体で,同じ部分がたくさん繰り返すといった場合,一枚の紙に入りきるだけ描いてそれを必要なだけコピーすると便利です.

のりしろと展開図の境目や多角形と多角形の間などの曲がる部分にカッターの背や書けなくなったボールペンなどで折り目をつけるの忘れてはなりません.それが終わったら組み立てます.

完成

原本は取ってあるので,量産できます.縮尺を変えて作っても楽しいです.


作図について

展開図の作図においてはしばしば異なる多角形の辺を同じ長さに作図する必要があります.これはなかなか頭を使うことになることがあります.

どんな多面体の模型を作るかにもよりますが,多くの場合,作図が一番大変で,時間のかかる作業です.


組み立てについて

組み立ての時間が一番楽しいです.余った厚紙の上に木工用ボンドを出して,つまようじでのりしろに塗って貼り合わせます.

二十・十二面体の模型


楽しみ方

出来上がった多面体の模型は飾っても良いですし,人にあげてもよいでしょう.つぶれちゃっても落ち込むことはありません.また必要だったら原本をコピーしてまた作ればよいのです.

大星型十二面体の模型


参考文献

多面体の紙模型を作ろうとしたとき,上二つの資料が一番役に立ちます.というよりこれら以外にはあまり有益な情報がありません(見識の狭さを露呈しているかも).ですから,この内容もある程度自身の経験と勘に基づいて書いている部分があります.



なにかあったら

tamentai.mail あっと rittai.org まで

このWebページ上の画像,文章などについて,その著作者の了解なく転載・複製することを禁じます.