モンクロシャチホコを食べよう!

モンクロシャチホコの幼虫(いわゆる桜毛虫)は桜の香り成分(の一つ)であるクマリンを多くため込むため,桜の香りがしておいしいらしい.これを聞いた我々は,モンクロシャチホコの幼虫が活発に活動する8月下旬から桜の木のパトロールをしていた.そしてついに見つけたのである.某所の桜の木に.ちなみに,この木は昨年,縮葉病にやられていた.なんともかわいそうな木である.

モンクロシャチホコについて

モンクロシャチホコの幼虫はサクラ,ナシ,ビワなどの葉を一気に食い荒らすので,嫌われている.毒はないので,触っても問題はない.ただし,桜につく毛虫には,他にイラガなど毒針毛をもつものがいるので,気をつけること.

採取

持っていたタオルを枝に投げ,落ちてきたモンクロシャチホコを採取した.この際,比較的容易に落ちてきたことから,まだ採取した個体群は若い幼虫であったことが示唆される.

タッパー入りのモンクロシャチホコ

調理

下ごしらえ

感染症や寄生虫への対策といった観点から,念のため,下ごしらえとしてさっとゆでた.なお,モンクロシャチホコの糞は糞茶としても楽しまれるほど,桜の香りが強いということだったので,糞出しはせず,そのまま調理した.

調理

採取したもののうち,半分は茹で,半分は揚げた.

左は揚げ,右は茹で

いずれの場合も毛は気にならなかった.

茹でたもの

皮はプチっとした,シャウエッセンのような食感がある.昆虫にありがちな甲殻類感は少なく,芋虫系のクリーミーな感じが強い.肝心の桜の香りはほのかに香るといった程度であった.おいしい.

揚げたもの

やはり揚げると食感はサクサクな感じになる.甲殻類感が増して,揚げたバッタのような,スナック菓子的な味.後味にかすかに桜の香りがする.おいしい.

総括

今回は,比較的若いと思われるモンクロシャチホコの幼虫であったためか,長く茹で・揚げすぎたためか,桜の香りは期待していたほどではなかった.しかし,それを加味せずとも,簡単に大量に採取できるという点やおいしさの点から,昆虫を食べてみよう,とするときに適した虫ではないか.あくまで自己責任で.


虫を食べる

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